リリカルなのは SS

 あなたが選ぶNG大賞





 1 14歳の春

「次はこれなんかどうかな?」

 フェイトはクロノの頭から帽子を取ると、逆の手に持った帽子を差し出す。今度はニットの帽子だ。

「いや、だから………」
「あ、サングラスかけたクロノって見た事ないな。それなら上も合わせてみて……」





 で、その結果。

「YO!俺はクラナガン生まれの管理局育ちー!魔導師な奴は大体友達―!イージャン!イージャン!スゲーじゃん!」
「フェイトちゃん、やり過ぎ」
「ごめんなさい………」

 後に、ヒップホップなのかダンサーなのかわからない管理局イーじゃん隊を率いる男の誕生であった。






 2 守りたいもの

 少女は、クロノとなのはを大きく見開いた瞳で見るとすぐに身を翻した。細い手足からは想像できない俊敏さだった。

「クロノ君、あの子………?」
「わからない。使い魔のようにも見えたが……」

 報告では逃走した魔導師が使い魔を連れているとは聞いていない。また、経歴を見ても使い魔を使役できるほど高ランクの魔導師でもなかった。

「だが、新たなフラグの予感だ。追うぞ」

 それだけ告げるとクロノは飛行魔法を発動し、森の中を低空で飛ぶ。

「……そういう事なら行かせないの」

 そのクロノに対して、なのははアクセルシューターを発動。心なし、ウキウキした飛び方をしていたクロノを撃墜するのだった。






 3 家庭教師は執務官

「参考までに何かエピソードを」
「………言わなきゃだめか?」
「言わなきゃ信じへん」
「信じてもらう必要も無いのだが………」

クロノは大きくため息をついた。

「そうだな、なら口で言うより実演するとしよう」
「実演………?って、あれ!?私、いつの間にかバインドされとる!?」
「さぁ、はやて。頑張ってバインドを解除するんだ。じゃないと、どんどん食い込んでいくぞ」
「痛っ、く、クロノ君、痛いっ。お、お願い、緩めてっ!」
「安心するんだ。段々、気持ちゲフンゲフン慣れてくるから」
「あ、あっ、し、新境地がっ!?」

 こうして、クロノとはやてのいけない家庭教師と教え子の関係が始まるのだった。





 4 休日の助っ人

「なら、なのはもつけるからどうかな?」
「おおおおおおおおかーさん!?」
「わかりました、翠屋のあとを継ぎます」
「ク、クロノ君!?じょ、冗談なんだからおかーさんに合わせないで!」
「いや、僕は本気だぞ」
「な、何言ってるの!?もう、そんな冗談言うクロノ君なんて知らないっ!」
「あ、なのは!?」

 そう言ってなのはは怒ってその場を立ち去ってしまった。



 それから、なんとなくなのはとはぎこちなくなってしまい、以前のように話す事はなくなってしまった。
 どうやら、僕の気持ちは伝わらなかったようだ………。

 BAD END










 エイミー道場へ行きますか?

 →行く、ってか来い

「はーい、皆!!私はこの道場の主にして皆の救済オペレーター、エイミーなのである!!」
「その弟子二号、むしろ皆さんが求めているのは私な筈のリィンフォースB(ブルマ)なのですー!」
「げぇぇぇぇぇっ!のっけからぶっちゃけすぎよリィンちゃん!てか、その本家にも劣らぬブルマの似合いっぷりはどうした事か!銀髪同士だし」
「ふふふ、ゆくゆくは追加シナリオなのですよー」
「ひぃぃぃぃっ!下克上発言!!このロリィン、恐ろしい子!!」
「それで、師しょー。今回の敗因はなんだったのですか?」
「うむ、何事もなかったかのように本題に入ったな弟子二号。今回は純粋な好感度不足!なのはちゃんは鈍いので、半端な好感度では気持ちは伝わらないぞ!」
「具体的には爆発に吹っ飛ばされたり、初デートしたり、サバイバルでハプニングがあったり、一緒に幻獣の名前を考えたり、要塞型ロストロギアを目覚めちゃったりしなきゃいけないのですね!」
「妙に具体的なのが気になるけど、そう言う事!イベントを起こさずしてフラグは立たずと言う事なのである」
「あ、それと今回はゲストとしてはやて先輩から一言あるそうですー。それではどうぞ」
「クロノ君、ぬっ殺」
「わー!素敵発言なのですー。どっちかっていうと先輩より師しょーって呼びたいのですー」
「それじゃ私の存在意義がなくなってしまうではないかっ!?」
「え、あったのですか?」
「………」
「………」
「そ、それでは今回の講義はここまでとする!」
「次回にはもしかしたら師しょーが代わっているかもしれないですが、またお会いするのですー」
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!締めにして交代発言!?」



 エイミー道場No.8 スタンプゲット。





 5 休日の一室

「─────────」
「─────────」

 そのままでいる事、数秒。ガチャリと部屋のドアが開いた。ノックはされていたが、固まった二人の耳には届いていなかった。

「ちぃーす。WAWAWA,忘れもの〜♪って、おわっ!?」
「「───────────」」
「失礼。…………ごゆっくり!!」
「待ってください美由希さん!!何故、谷口!?」

 いや、本当になんでだろ?





5 リリカルクエスト

「いいか、このパーティーの女性はエッチな下着しか装備してはならない!文句があるならついて来なくていいぞ!!」

 勇者クロノ、一人旅決定。





 6 私をプールに連れて行って

「お、お待たせや………」
「随分と時間がかか」

 振り向いたクロノが目を見開き、三点リーダーもなく固まる。驚愕したといってもいい。絶滅寸前の幻獣に遭遇してもこうはいかない。それほどはやての格好はクロノにとって意外だった。

「そ、そんな顔しなくてもええやん………」

 はやてが着ているのはフリルのついたピンク色のワンピースだ。今度のプールのために買った初めての水着である。その水着を凝視されてはやては恥ずかしそうに身を縮めた。

「…………………」
「……クロノ君?」
「………………ど」
「ど?」
「どうして、スク水じゃないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 そう絶叫して、夕日に向かって(注 室内です)駆け出すクロノ。去っていく彼の瞳からは涙がキラキラと輝いていた。

「………せ、選択を間違えた?」

 その姿をはやては呆然と見送るしかなかった。






 7 14歳と成長期

「えーとだな、いいかいリィン」
「はいです」
「その問題に関しては人それぞれ好みがあるだろう。しかし、僕は全てのおっぱいを肯定する。大きいのにも小さいのにもそれぞれ良さがあり、僕はその全てを愛でる。ナイムネだって胸はなくともそこにおっぱいはある。その真っ平らなおっぱいに、これから成長していく事への期待と、未成熟な青い果実の甘酸っぱさを噛み締める。無論、大きいおっぱいにはその熟れた果実のような芳醇さに潤される。そう、大きくともちいさくともおっぱいはおっぱい。もう一度言おう。僕は全てのおっぱいを肯定する!ビバ、おっぱい!ハイル、おっぱい!!ジーク、おっぱい!!─────────と言うわけなのだが、わかったかな?」
「?難しくてリィンにはわからないのです」
「つまり、選り好みはないということさ」
「うーん………、わかったようなわからないようなです」



「どうやった、リィン!?」
「クロノさんは難しい事を言っていてよくわからなかったです………」
「そ、そうなんだ……」
「ただ、選り好みはしないって言っていたのです」

 その言葉にほっとする三人。何故ほっとするのかリィンはわからず首を傾げるのだった。

 人間、開き直った方がいい場合もあると言う話。




 8 無責任未来予想図

「クロノ君もやるんやー!!」
「………は?」
「ええから!とっとと!!早く!!!」
「なんだ、いきな」

 困って視線を動かしたクロノの動きが止まる。見ればはやての後ろにいる二人も似たようなオーラを隠すこともなく発していた。

「なんなんだ………」

 あまりの雰囲気に渋々クロノはヘブンズドアーの前に立ち、投げやり気味にポンとその球体に触れた。瞬間、映像が浮かび上がる。

(以下、描写を書くと規制にひっかかるので音声のみでお楽しみください)

『ク、クロノ。いじわるしないで………』
『ふふ、なんの事かな?』
『だ、だって、そんな風に……』
『そんな風に、なんなのかな?』
『う、うぅ………』
「はっ!?な、なんだこれは!?」
「ク、クロノ………!?」
「ち、違っ、これは」
『クロノくぅん………、もう駄目や………。我慢できへん………』
『なら、どうして欲しいか言ってごらん?』
『そ、そんなん言えへん………』
『ならどうにもできないなぁ』
「く、クロノ君ってそう言う趣味やったんか………?」
「どういう意味だ、それは!?」
『どうした、なのは?そんな物欲しそうな目をして』
『く、クロノ君。わ、私、クロノ君の砲撃が欲しい………』
『なのはは素直だな。ならあげよう!僕のブレイズキャノン!!』
「……………」
「あの、なのは?何故に無言でレイジングハートをエクセリオンモードで僕に向けてるのかな?ってか、気がつけばミストルティンで足を固められてるし。フェイトもザンバー構えてるし。それ、カラミティブラスト?空間攻撃を単体に?はやてもミストルティン放った後にSランクの意地見せなくても。というより、何より僕死ぬよなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 その日、Fランクロストロギア『ヘブンズドアー』の破壊が確認され、クロノ=ハラオウン執務官の姿が消え去ったと言う。






 9 リンネ

 だから、貴方の名前は───────────────










「リィンフォースさん?」

 物思いに耽っていると、声をかけられた。
 その名前で呼ばれるようになって長い間が経ったが未だに思う。
 いい名前でもパクリはいけないと。





 9−2 リンネ

 だから、貴方の名前は───────────────











「ゲレゲレさん?」

 物思いに耽っていると、声をかけられた。
 その名前で呼ばれるようになって長い間が経ったが未だに思う。
 せめてボロンゴがよかったと。





 9−3 リンネ

 だから、貴方の名前は───────────














「シャナさん?」

 物思いに耽っていると、声をかけられた。
 その名前で呼ばれるようになって長い間が経ったが未だに思う。
 別に私は釘宮キャラではないのになぁ、と。





9−4 リンネ

 だから、貴方の名前は───────────────











「モモタロスさん?」

 物思いに耽っていると、声をかけられた。
 その名前で呼ばれるようになって長い間が経ったが未だに思う。
 少女は何故、桃太郎と思ったのだろうかと。





 9−5 リンネ

 だから、貴方の名前は───────────────











「みのりさん?」
「みもりです」

 というか何故みもり?





 10 リィンといっしょっ

「ほんなら、私がリィンのシステムにアクセスしてどうにかすれば」

 その言葉を、はやてよりも暴走状況を知るクロノが否定する。

「いや、さっきも言ったが今回の暴走は原因がわからない。もしかしたらマスターである君の干渉ですらなにかよくない反応を起こすかもしれない。君に出番があるとすれば、そういった危険性が排除されてからになる」
「そんな………」
「じゃあ、クロノはしばらくこのままって事?」
「不本意ながらそういう事になるな」










「えー、そうなんだー」
「ほんとうに〜?」
「ほんとやって」

 ここは時空管理局女子更衣室。仕事とプライベートの切り替え場所であるこの男子禁制の部屋でなのはとフェイトとはやてが話しに花を咲かせていた。

「───────────」

 その様子を通風孔から眺めている影が一つ、いや二つ。

(ちょ、クロノ!?こんなところで何してるんだよ!?)
(そういう君こそ、そのカメラはなんだ?)
(あ、えっと、これは。い、いやそれより僕の質問に答えろ!)
(いや、せっかく身体が小さくなったから今の内に満喫しておこうかと思って)
(ぶ、ぶっちゃてるー!?)
(ふ、そこが君と僕の器の違いだよ淫獣)
(淫獣言うなっ!!)
「あれ?何か聞こえない?」

 二人の念話でのやりとりを感知したのか、フェイトがきょろきょろと辺りを見回す。

(あ、まずい!)
(ふ、チャンスだ!)
(え?チャンス?)
(変身!人形フォーム!!)

 そう高らかに(心の中で)叫ぶと、クロノの身体が光り輝き、UFOキャッチャーの景品のような、綿の詰まった人形へと変貌する。
 その人形姿のクロノがぽてっと三人の目の前に落ちる。

「あれ?なんや、これ?」
「お人形?」
「誰かの落し物かな?」

 人形を手に取り、じっと眺める三人。

「………なんだか、クロノ君みたいだね。これ」
「………うん、確かにそっくりや」
「………私もそう思ってた」

 三人が無言で顔をあわせる。そうして、三人は人形を持ったままそそくさと更衣室を出て行くのであった。






 んで、数日後。

「やっぱり、写真より生の方がいいぞ。そう思わないか、淫獣?」
「知るかってんだよ、こん畜生―!!!」









 果たして、NG大賞に輝くのは!?
 貴方の一票が、全てを決める───────────。










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